2012-02-03から1日間の記事一覧

普賢  石川淳

読んでも読んでも一向に面白くならない。東西に亘る学識の開陳は、活字中毒者には一掬の美酒足りうるかもしれないが、文学としては行くところも帰るところもない偏屈な徘徊老人の繰言のようなものに過ぎない。幼時、漢学者の祖父から漢文の素読を仕込まれた…