単行本「abさんご」には、初期の短編が三編収められている。「毬」「タミエの花」「虹」の三篇で、それらは「タミエ」シリーズと呼ぶべきものである。三歳くらいから小学校初年の頃にいたる幼女の内面が生き生きと綴られている佳品である。―というのは「毬」…
辻仁成「海峡の光」に対する初読時の個人的評価は★(特に読む必要なし)で特段に評価が低いわけではない。しかし、前回の藤沢周のところで出た「ホンモノ」「ニセモノ」のテーマを敷衍するのに、彼は格好の作家である。つまり辻の作家としてのありように思いを…
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