2012-02-09から1日間の記事一覧

暢気眼鏡  尾崎一雄

私小説なので当然「私」語りなのだが、この「私」、とんでもなく尊大である。芸術に携わっているといういい気な自己矜持から、すべてを「上から目線」で見ているのだ。本人は、母も兄弟も裏切り、所帯ではナイーヴにDVまで働く、どうしようもない男であるに…