2012-04-23から1日間の記事一覧

本の話  由紀しげ子

「私」という童話作家と、海上保険を専攻した学者である「義兄」が出てくるこの小説を、私は勝手に私小説として読んだ。義兄の蔵書を会社の倉庫に預かっている武石公子という女性が、友人なのか親戚なのかはっきりと書かれていないところなど、私小説的な感…