論点

 ほぼ1年かけての芥川賞受賞作読破を通して得た、さらに考察するにたる興味を残す「論点」の主なものは以下の通り。
①「意味論」としての文学へ
②「ゴール・シュート」のない小説をどのように享楽するか
③OSの異なる小説とは「標準化」をめぐって戦わなければならない
④日本にはサリンジャー的小説ではなく、むしろアーヴィング的小説が必要だ
⑤「国木田独歩的転倒」にどのように応接するか
⑥観念的に硬直した文語と、柔軟に調整される口語と
⑦「セカイ」系小説としての純文学、「社会」にとどまる意志を持つ「非」純文学
ロマン主義自然主義との相克は、「設計主義」と「自生的秩序」との問題に帰結する
文学賞は、ジイドの「狭き門」ではなく、カフカの「掟の門」だ
  随時、考察を続けていきたいと考えてはいるが、難しすぎて私の手には負えないような気もする。