受賞作掲載誌など

 芥川賞は1935年スタートだが、戦後(1949年)から現在までの間の受賞作掲載誌を見てみると、やはりダントツで「文學界」が一番多く、53作にのぼる。次点は「新潮」で23作、「群像」は3位で19作。次が「文藝」で11作。フタケタはこの四誌。あとは「中央公論」「すばる」「海燕」の3誌がそれぞれ3作づつ。「海燕」は14年間の発行期間中に3作、と健闘しているが受賞者は笠原淳、三浦清宏松村栄子と、短命に終わった雑誌や福武文庫と運命を共にしたかのように、いずれも作家として短命な人たちだった。文藝の早慶戦は、「早稲田文学」1作(斯波四郎)、「三田文学」1作(松本清張)と仲良く引き分けている。地方誌では山形文学」(後藤紀一)、「新沖縄文学」(大城立裕)というところ。
 新人賞からそのまま芥川賞というケースは、文學界新人賞が5人(石原慎太郎丸山健二東峰夫、瀧澤美恵子、モブ・ノリオ)、新潮新人賞は2人(高城修三、米谷ふみ子)、群像新人賞は3人(林京子村上龍諏訪哲史)となっている。